断裁加工
断裁加工とは
印刷物を製品として完成させるためには印刷したあとに加工をする工程があります。今回は様々な工程のうちの一つ、「断裁加工」について説明します。断裁加工とは、紙を直線に切ることを言います。「切る」と言えば、ハサミやカッターを思い浮かべる方も多いかと思いますが、印刷業の場合は断裁機という機械にセットされた大きな刃で上から印刷物を切っていきます。巨大な包丁をイメージするとわかりやすいかもしれません。この断裁加工は印刷物を作るにあたって、必要不可欠な工程のうちの一つです。
断裁の作業手順
通常、印刷はA4のチラシを1万枚作成する場合、A4の紙に1万枚印刷するのではなく、全紙と呼ばれる大きい紙(菊全判サイズの用紙)にA4を8面つけて1250枚印刷します。
そのため、断裁でA4に仕上げる断裁加工が必要になります。
では、実際どのように断裁するのでしょうか?
前回の印刷マニアックの「印刷代のおはなし」でもあったA4サイズのチラシを例として説明していきます。A4サイズのチラシを印刷する場合は全判の紙に8枚分(8面)付いています。
まずは紙を揃えて
揃えた紙を断裁機にセットして、まずは真ん中を断裁します。
そこから製本上必要な余白を切っていきます。
今回の場合は、水色の部分です。
同じく断裁機で切り落とします。
最終的にすべての余白を切り落とすとお客様のご要望にそった製品が仕上がります。
こうして出来上がった製品ですが、ずっとキレイに仕上げるにもメンテナンスが必要です。断裁機の刃も包丁やカッターと同じように使っていくと切れ味が落ちていきます。切れ味が落ちるとどんな支障が出るかというと、断裁の際に抵抗力が大きくなり押し切っていく感じになります。そうすると断裁面がギザギザしてしまいキレイに切れません。
他にも問題があり、一度に1,000枚の紙を重ねて切るとします。刃の状態が悪いと紙が真っ直ぐ切れず、1枚目と1000枚目ではコンマ数ミリのズレが発生し、仕上がりサイズが変わってしまうのです。そのため、刃の切れ味が落ちてきたら新しい刃と交換します。切る紙の種類にもよりますが弊社では2,000~3,000回ほど断裁したら交換しています(約2日~5日)。
富沢印刷の公式YouTubeチャンネルで断裁加工についての説明動画をアップしているのでこちらも併せてご覧ください。また、お問い合わせはこちらまで。