紙と湿度の関係
印刷工場の管理体制
印刷工場では工場内の湿度55% ±5%を維持するよう努めています。最大の目的は、印刷品質を一定に保つためです。そして、その湿度の変化により最も影響を受け、一定の品質を乱すのが「紙(印刷用紙)」なのです。
波打ちと反りの科学
どんな影響を与えるかを簡潔に説明すると、湿度が高いと紙は波打ち始め、シワが発生したり給紙不良が起きます。逆に湿度が低いと紙の四隅が反ってきて給紙不良が起きることになります。また、静電気も湿度が低いことで発生しやすくなる。
実際に紙の波打ちや四隅の反りというのが起きる理由は:
- 波打ち=湿度が高い為に紙が空気中の水分を吸い込むから、
- 反 り=湿度が低い為に乾燥により紙が空気中に水分を放出するから、です。
これらを防ぐために湿度管理だけでなく、さまざまな対策を徹底しています。具体的には紙(印刷用紙)を「常に外気に触れないようにする」「印刷寸前までワンプ(調湿の包装紙)を剥かない」「裸のまま放置しない」「ラップを巻く」「なるべく早めに印刷工場内に置く」などです。
このように「温度」同様に「湿度」の管理というのは印刷工場において大変重要な要素なのです(因みに、冬場の静電気は印刷工場において最大の難敵であると個人的に思っていますが…)。