紙の目とは?
皆さま、印刷用紙には「紙の目 」があるのはご存知ですよね。紙を漉く(すく)ときに生じる縦方向、製造過程で紙が流れていく方向のすき目のことで、紙の繊維の方向であり、「流れ目」ともいいます。
縦目の紙
また、紙の長辺が流れ目に平行の紙を「縦目」の紙といい、
横目の紙
長辺が流れ目と直角の紙を「横目」の紙といいます。
紙の寸法表示の方法は統一されており、「横寸法(紙幅)×縦寸法(流れ)」のように、最初に紙幅寸法を表示します。
例えば、788×1,091(mm) は長辺が流れ目に平行のため縦に流れ目がある「縦目の紙」であり、880×625(mm) は長辺が流れ目と直角ため、横に流れ目がある「横目の紙」といいます。
紙の流れ目に沿って、折りやすい、破りやすい、反りやすい
紙の流れ目は、紙の素材の繊維の流れている方向のため、流れ目に沿って折りやすく、2折のパンフレットは流れ目を折り目方向に合わせて製造するときれいな仕上りになります。同時に、流れ目に沿って破れやすい性質も持っています。また、チラシなどの折のない印刷物をラックなどに立てかけておくと、反りやすい(お辞儀をしやすい)のは紙の流れ目が影響しています。ラックのディスプレイ上で反り返ったり、垂れ下がってこないチラシを作るためには、図のように仕上がりに対して縦の流れに印刷物をあらかじめ設計しておく必要があります。
縦目=T目、横目=Y目
縦目をT目、横目をY目と表示することが一般的です。ぜひ、覚えておいてくださいね。
紙の目のことを英語ではpaper grainと呼びます。grainとは木目(もくめ)のことを一般的には表します(その他多くの意味がこの単語にはありますが…)。上記の説明と同様に「縦目の紙」はgrain long paper(長辺に沿って流れるから)、「横目の紙」はgrain short paper(短辺に沿って流れるから)と呼ばれます。また、T目・Y目という日本語表示は、英語では頭文字を取ってGL(縦目)・GS(横目)と表示されている見本帳が多いようです。