デジタルマニアック

Webマーケティング用語「ホワイトペーパー」の語源

ブルーブックとホワイトペーパー、ブルーの広がり

ブルーブックとホワイトペーパーの世界を探求し、その起源と歴史的背景を紐解いていきましょう。

1. Webマーケティングでのホワイトペーパーの使い方

「ホワイトペーパー」という言葉は、1990年代初頭の米国ビジネス界において広がりました。政治や政策立案の文脈での使用から転用され、特にテクノロジー分野で、新しい技術や方法論を詳細に説明し、提唱するための資料として用いられるようになりました。現在は、Webマーケティングでのリード獲得のための資料として広く普及しています。[*1]

2. 白 White と 青 Blue ― ホワイトペーパーとブルーブック ―

ホワイトペーパーと対をなす言葉にブルーブックがあると言われていますが、この解釈はやや誤解を招く可能性があります。「Blue Book」と「White Paper」の用語は両方ともイギリス政府に起源を持ちますが、Blue Bookの方がWhite Paperよりも古い歴史を持っているようです。ブルーブックの語源は、16世紀のガーター勲章の手書きの記録書が青いベルベットの表紙で綴じられていたことによるとされています。一方、ホワイトペーパーが政府の公式な報告書を指す言葉として広く理解されたのは19世紀になってからという分析があります。[*2]

3. イギリス:立憲君主制と枢密院

君主(国王)が国の象徴として存在するイギリスと国王に直接仕える地位にあるとされる枢密院の歴史的な背景から、ブルーブックは青い表紙の機密(privy)書類、ホワイトペーパーは広く国民に公表する政府白書・統計資料だったというイメージが付いたのかもしれません。現代のイギリスでは、ホワイトペーパーは具体的な政策提案・分析・論拠・データで構成され一般に広く公表するもの、ブルーブックは政府が行った調査・統計・研究結果を専門家、政策立案者に提供する資料として位置付けられています。もちろん、表紙の色が青か白かは関係ありません。

イギリス
ブルーブック
国家統計局
イギリス
ホワイトペーパー
エネルギー庁
日本
防衛白書
防衛省
日本
労働経済白書
厚生労働省

4. 枢密院とオックスフォード大学・ケンブリッジ大学のブルー

イギリスの枢密院は英国内の大学と関係があります。オックスフォード、ケンブリッジ、ロンドンなどの歴史のある大学は独自の議会法によって統治されていますが、規則の改正に関しても枢密院が承認する役割を持ちます。[*3] 

また、ブルーブックとは全く関係がありませんが、オックスフォード大学の公式色は「Oxford Blue」と呼ばれ、特に大学スポーツのユニフォーム色に使用されます。別名「アズール(Azure)」と表現される群青色です(Pantone #282)。

オックスフォードブルー
オックスフォード大学

対してケンブリッジ大学も「Cambridge Blue」という同様の大学カラーがあり、こちらは萌黄色に近い「スプリンググリーン(Spring Green)」です(Pantone #557)が、大学内のそれぞれのカレッジで別々に色合いが定義されています。

ケンブリッジブルー
ケンブリッジ大学

両大学ともに「Blue(s)」はスポーツ選抜学生やスポーツ・学術ともに卓越した成果を上げた人物(チーム)に与えられる名誉ある称号です。[*4] [*5]

参考文献

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