ナンバリング印刷
昔話から紐解くナンバリング
今の時代、飲食店では、オーダーシステムやスマホアプリを使って注文から売上管理まですべての運用をデジタルで処理できるのが当たり前なのですが、昔の昭和の時代、居酒屋さんではこんな手書き注文伝票が使われていました。
ここで注目したいのがここ! そうです、ナンバリング印刷です。
ナンバリングの重要性
なぜ、ここに連番の数字が印刷されている必要があるのでしょうか? それは、店員が会計をごまかして自分のふところに入れたり、客を装って来店してきた友達にタダで料理や飲み物を出したりする悪事を防ぐためです。店主は閉店後、売上集計をしながら注文伝票をナンバリングの順番通りに揃えてみます。もし、欠けている番号があったら、何か不正をしているのではと店員を疑うのです。もちろん書き損じもあるでしょうが、毎日、10番くらいの欠番が続けて生じると、これはどこかに不正があることが分りますよね。注文伝票にナンバリング印刷が施してあれば、店員も悪気を起こさなくなる、つまり抑止力が働くのです。
ナンバリングの威力
ナンバリングは、同じナンバーがひとつとして存在しない「唯一無二」の存在として、シンプルかつアナログでありながら、絶対的な明白さを突き付けます。まさに「動かぬ証拠」です。
別の例を挙げると、商店街で福引を開催したとします。高額賞品の1等から3等くらいは、当選が出るたびに引換券のナンバーをメモしておくだけで、ナンバリングの強みは充分に発揮できます。仮に、当選した人のナンバーが、昨日当選を出したナンバーと同じだったとしたら、その当選者か、もしくは昨日の当選者のどちらかは引換券を不正にコピーしたものと判断ができます。1等から3等までの目玉賞品は全部合わせても30品くらいですから、それをメモしておくだけでよいのです。たいした手間でもありませんが、効き目は大です。アプリの登録、バックアップデータの管理、バーコードやQRコードでの読み取りなど全く不要です。まさにアナログの強みと言えます。
意外と印刷業界でも知っている人が少ない
ナンバリングの重要性とその理由を知る人は今では印刷業界でも少なくなりました。偽造や不正コピーの防止方法、この仕組みや考え方をアナログ時代から身に付けている富沢印刷の営業マンこそ、お客様に安心・安全を届けられるぎぞらーずの偽造防止プロデューサーなのです。
それでは、こうした会計伝票や福引引換券はどのようにナンバリング印刷されているのでしょうか? 印刷方式も昔ながらのアナログ方式です。詳しくは次回<その3>で解説します。