浮世絵マニアック

蔦重が流行れば歌麿が見つかる? 人気作、見つかりました

2025年1月から放映されているNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」が好評です。
上記は江戸時代中期に版元として名を馳せた蔦屋重三郎の生涯を描くドラマ。彼は喜多川歌麿や東洲斎写楽ら、のちに有名となる絵師たちを見出し、現代では『江戸のメディア王』とも評されています。

ドラマ人気と連動するように今年は浮世絵の展覧会が目白押し。
東京・墨田区のたばこと塩の博物館では特別展「浮世絵でめぐる隅田川の名所」を2025年4月26日~6月22日 の日程で開催。
札幌の北海道立近代美術館では2025年4月25日〜6月15日まで「浮世絵スーパークリエーター 歌川国芳展」を開催中。
大阪浮世絵美術館は「べらぼうな浮世絵師18人展」を開催中。期間は2025年7月13日まで。
上野の森美術館では「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」を開催予定。日程は2025年5月27日~ 7月6日。
また、東京国立博物館の平成館では特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を2025年4月22日~6月15日までの日程で開催中。こちらで展示中の喜多川歌麿の代表作にビッグニュースが入ってきました。

「ポッピンを吹く娘」の初期版、約43年ぶりに国内で発見!

「ポッピンを吹く娘」は喜多川歌麿が描いた美人大首絵の人気作。
初期シリーズ「夫人相学十躰」と、後期シリーズ「夫人相学十品」の両方で同じ構図で制作されています。

国内では東京国立博物館が「夫人相学十品」版刷りを所蔵しておりましたが、今回新たに見つかったのは「夫人相学十躰」での版刷り。都内の美術商から「特別展に展示予定の作品と同じものがある」との連絡があり調査の結果、本物と判明したとの事。「夫人相学十躰」版の「ポッピンを吹く娘」は1981年にパリでオークションにかけられたのを最後に所在不明となっており、現存は米国のホノルル美術館所蔵の1点のみとされていました。

先述の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」では5月20日からの後期展示に合わせて、今回発見された「夫人相学十躰」版が特別公開されるとのこと。現状、世界で2点しかないと思われるうちの1点を間近で見られる貴重な機会となりそうです。

展覧会情報:美術展ナビ(https://artexhibition.jp/)

関連記事

最近の記事
ぎぞらーず
  1. 偽造防止印刷技術「ぎぞらーず」~ホログラム編~

  2. 塗り足しとは

  3. 封筒のサイズと用途のご紹介

  4. 「歌舞伎~市川團十郎という男~」

  5. オフセット印刷とは

  6. 音声認識技術とIoTの融合

  1. ジャパンブルーと浮世絵にみる水の美学 — 北斎と広重が描いた藍の世界

  2. 落合陽一氏が大阪・関西万博で披露するMirrored Body・自律型アバターとは?

  3. ボストン美術館と3人のアメリカ人

TOP