印刷現場は、富沢印刷の生命線であり、「富沢品質」と定めた最高の価値を生み出していくという自負を持つ技術集団です。職人ひとり一人が複数の印刷機を稼働できるマルチタスクシフトを実現し、ショールーム工場=「見せる化工場」へと進化を遂げました。現在、年間150人以上のお客様に私たちの工場をご見学いただいております。
印刷技術力
東京都内4000社の内わずか3社
高精細240lpiスタンダード
富沢印刷では、AGFA社の高精細技術Sublima(スブリマ)を導入し、15年以上にわたって高精細240pliをスタンダードで印刷しています。240pliとは1インチ(25.4ミリ)内に240個分の網点(線数)が配列されていることを意味する再現性の細かさで、通常のオフセット印刷工場は175lpi(AMスクリーニング)を使用しています。そのため当社は1.37倍以上の細かな網点で色彩豊かに表現することができます。現在、東京都内には印刷業および同関連業社は約4000社ありますが、高精細印刷を標準で印刷できている印刷工場はわずか3社しか存在しません(2021年・当社調べ)。
高精細だからこそ
生み出せた
偽造防止印刷ぎぞらーず
オフセット印刷とは、網点の掛け合わせを利用してあらゆる画像の形状や色調を4つの基本色(Cシアン・Mマゼンタ・Yイエロー・Kスミ)で表現する技術です。人間の眼は4色の網点から構成される点描画を鮮やかな白頭鷲の写真と錯覚してとらえているとも言えます。
偽造防止印刷ぎぞらーず®の代表格であるコピーガード印刷は、この高精細網点を応用するからこそ可能な技術です。1インチ幅に240個配列された網点(1個当たり約0.105ミリ)の角度を変更し、例えば「No Copying」の文字を仕込んでデザインし、印刷します。一見すると、用紙の背景は平坦な地紋が印刷されているようにしか見えませんが、コピー機で複写をすると「No Copying」の文字が浮かび上がり、一目で原本か複写したものかが判り、偽造行為を抑制できる仕組みです。複写する際に、コピー機内の反射光が網点角度を変更した部分だけを屈折させ、機械内部の反射板に影を形成させるため、コピー機はそこに対象があるものと錯覚し、トナーを照射しプリント出力する仕組みです。
技でしか刷れない
高精細網点
こうしたナノレベルの高精細網点は、機械設備が揃っていれば誰でも簡単に印刷することができるのでしょうか? 答えはノーです。そこには技(わざ)が不可欠です。そして技には大きく2つの要素があります。1つ目は印刷機の仕立てです。当社の印刷部ではすべての印刷機を適正な温度、湿度で稼働させる工場環境を常に一定に保っています。すべての印刷機は毎月定期的なメンテナンスで正しい高精細網点が刷り出せるように保っています。3ヶ月に1回はフルメンテナンスを実施しています。印刷・製本に関わるすべてのオペレーターは、技とは印刷機械と工場環境を最適に保持することだと理解しています。そして、自らが制定した安全規則・服装規定を守ることを理解しています。
一級印刷技能士
(オフセット印刷作業)
技の要素の2つ目は、印刷技能そのものです。その技能を裏付けているものが国家検定資格です。印刷技能士は厚生労働省の所管で行われている印刷オペレーターの技能検定で、1級資格には実務経験7年以上の経験が必要です。富沢印刷では以下の1級印刷技能士が印刷業務にあたり、確かな品質管理のもと高精細印刷物をお客様にお届けしています。また、入社後に検定合格へのキャリアアップを目指した社内育成プログラムをステップごとに展開しています。
奥村 忠則 1級 第06-1-035-0005号 執行役員 サービス課課長 |
斉藤 正美 1級 第06-1-035-0004号 執行役員 工場長・IT課IMチーム・伝える力チーム |
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佐藤 四郎 1級 第11-1-035-0010号 印刷部オフセット印刷課 副工場長 |
飯村 唱 1級 第17-1-035-0009号 印刷部オフセット印刷課 リーダー |
ワークショップ
毎週金曜日
20分間のワークショップ
印刷部・製本部・オンデマンド印刷課合同で、毎週金曜日の朝8:35~8:55の20分間、お客様へ提供する品質の向上を目的としたワークショップを開催しています。生産現場で働く印刷オペレーター、製本オペレーター、オンデマンド印刷課はお客様の声を直接うかがう機会がありません。営業を通してお客様の要望や感想を聞くことが多くなるため、どうしてもお客様のニーズに疎くなる傾向がありました。そのため、毎週のワークショップを繰り返し、お客様への感謝と徹底した品質のための基本姿勢を常に見直しています。